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※前回の「リガーとは何者か」の続編にあたる記事です。誤りがあればご指摘ください。
「リガーポーチ」という言葉には、実は2つの意味がある。①リガー本人が仕事道具を入れて持ち歩くキットと、②リガーが現場で自作していた汎用ポーチだ。特に②は、このブログのテーマにぴったりの、面白い経緯を持つ装備品になる。
① リガー本人の道具キット
パラシュートのパッキング・整備を行うリガーは、専用の道具一式を携行していた。中身は主に:
- 頑丈な縫い針・糸
- 穴あけ用の千枚通し(オール)
- シュラウドライン(吊索)をさばくための専用工具
- フック、ピン類
- キャノピーを層状に畳むためのバー
- 記録簿に署名・日付を記入するための鉛筆
これらを収める道具入れは、帆布またはゴム引き帆布製で、およそ縦19インチ×横13インチ、スナップや紐で丸めて留める構造になっていた。
② リガー製ポーチ:現場で生まれた自作装備
ここからが本題。1942年、USAAF(陸軍航空隊)は「リガーポーチ」という汎用ポーチを制式装備として調達したが、これはすぐに廃止されてしまった。
ところが、廃止された後も需要は残った。そこで各部隊のパラシュート整備工房(パラシュート・ロフト)にいたリガーたちが、余ったパラシュート生地(コットンダック)と糸を使って、独自にポーチを自作するようになった。これがいわゆる「リガー製ポーチ(rigger-made pouch)」だ。
【要確認】兵士側からの個別リクエストに応じて作られていた、という理解で書いているが、支給の仕組み(誰でも頼めたのか、部隊単位での発注だったのか)は資料を当たって裏取りする。
考証メモ:これは「兵士が常に装備を工夫・改造していた」という、このブログで繰り返し出てくるテーマの典型例。標準支給品だけでは収納が足りない場面で、現場のリガーが余剰資材を使って解決していた、という構図が面白い。
③ 考証判定:ここが罠になりやすい
「リガー製ポーチ」に統一された標準パターンは存在しない。 量産された制式装備ではなく、個々のリガーが手作りしていたものなので、形・サイズ・縫製は個体ごとに違って当たり前だ。現行レプリカを選ぶ際、「これが正解」という単一の型を探すのではなく、当時のパラシュート生地(コットンダック)の質感や、手縫いらしい不揃いさを再現しているかどうかで判断するのが良さそうだ。
買い方・調達ガイド
③で触れた通り、「これが正解」という単一パターンは存在しない。当時のパラシュート生地の質感や、手縫いらしい素朴さが感じられるかどうかで選びたい。
M1リガーポーチ 複製品(AliExpress):
細長タイプの例(AliExpress・形の違いの参考に):
先ほどの正方形に近いタイプとは対照的な、縦に細長い形状。③で触れた通り「個体ごとに形が違って当たり前」という好例として、あえて違うシルエットのものを並べてみた。
出典
- Original U.S. WWII Parachute Rigger Kit with Accessories and Tools – IMA
- WWII Rigger Made Pouch Field Gear US Paratrooper Airborne – Worthpoint
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